※今日は18禁PCゲームの話です

※ネタバレが全くないわけではない

※真面目です


S……素晴らしい! 
A……かなり良い 
B……平均より上 
C……平均 
D……平均より下 
E……酷過ぎる 

おおよそです。
SとEはよほどのことがないと付けないと思う。 





【概要】
――それは、世界を侵す恋。
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発売日:2003年12月26日
ニトロプラスより発売
公式サイト

割と前に「さくっと終わって良いエロゲないか!」
とツイッターで聞いた結果、返ってきた作品がこれ。
そして本当にさくっと終わって良いエロゲだった。



【ストーリー】
医大生の匂坂郁紀は、交通事故に遭い生死の境をさまようが、奇跡的に助かる。
しかし、大学に復帰した匂坂は、故意に嫌われる様な言動をとり、自分の周囲から人を遠ざけようとする。友人達は彼を心配するが、匂坂には彼らから差し伸べられる救いの手にすがれない訳があった。
 
匂坂は交通事故の後遺症で知覚障害を起こしており、すべてのものが異常な姿で見えるようになっていたのだ。
街の建物は豚の臓物をぶちまけて塗りたくった様に、人間はおぞましい肉塊に見え、話す言葉は呻き声や金切り声に聞こえ、触れた感触ですら尋常ではなくなっていた。自分以外の全てが異常で狂いそうになる世界の中で、孤独な入院生活を過ごしていたある日、匂坂の前に沙耶という謎の少女が現れる。沙耶だけはなぜか普通の人間に見え、肉塊のような姿にしか見えない友人たちと違い、触れたときに温かみを感じることもできた。
やがて匂坂は沙耶に惹かれ、彼女を自分の家へ招いて、一緒に暮らし始める。
 
しかし、それは真に訪れる狂気の世界への扉にしか過ぎなかった。



【構成】B
もともとが定価4800円だったこともありボリュームは少なめ。
多分5時間かそこらで終わるはず。
分岐あり。EDは全3種だが……。



【シナリオ】S
概ねあらすじ通り。
グロさとエグさがよく強調されるけどそっちはオマケで
本筋は心理、哲学、科学とかそのへん。

無駄に長くないって時点で大体完成度は高い。
マルチバッドエンド……と一概には言いきれない奥深さが魅力。
救いがあるかないかで言ったら確実にない話。
でもそれがバッドエンドかといったら別というか。
狂気ゲーと取る人もわかるし、純愛ゲーと取る人も十分わかる。
このへんは別に結末をボカして誤魔化してるのではなく
それぞれの価値観で受け取り方が本当に変わるタイプだと思う。



【キャラクター・個別】A
好感を持てるかはさておき主人公からヒロイン、サブキャラまで
それぞれキャラ立ちと役割はばっちり。無駄と隙がない。
どうにもこのゲーム「絶対悪」の不在が肝ですね。
誰が元凶かと言えばそれぞれがその要素を持ちつつもそれだけで構成されておらず
ちょっと視点を変えればガラッと印象も変わってくる。



【絵・演出】B-
さすがに今の時代だと絵は若干キツイ部分はある。
ジャンルはホラーだけど怖さはそうでもなかったような。
僕がその手の描写に慣れ過ぎた感もある。



【BGM】A
暗く湿っぽい、おどろおどろしいBGMの集まり。
作品にはマッチしてるしそれぞれクオリティ高い。



【システム】A
時代を考えるとかなりそろってるまである。
あとグロ表現をかなり優しくすることが可能なのも親切な点かと。



【エロ】C
・古い作品
・シナリオゲー
・ジャンル:ホラー
推して図るべし。
ただあくまで近年の作品と比べるとって話で
単体で見た場合極端にエロが弱いわけでもない。



【オリジナリティ】A
エロゲ界で考えたらオリジナリティは高い。



【その他】
全体的に隙がないと語れることないですね。
ネタバレ全開でよかったり、目の前に語る相手がいるなら別なんだけど。



【統括】S
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期待値/実際値:70/90

「名作つってもな~合わなかったらそれまでよ」
と思っていたのに合ってしまったからには持ち上げざるを得ない。

今さら僕が感想を書くまでもないですね。
とにかく無駄がなければ薄い部分もない。
軌道に乗れば最後までずっと面白い。

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