※今日は18禁PCゲームの話です

※ネタバレが全くないわけではない

※真面目です





【更新履歴】
2014/9/9 記事作成




【概要】
――俺の知らない、遥かな先へ。見知らぬ世界へ。
無題

発売日:2007年1月18日
ligohtより発売
公式サイト

DMMでDL版を買いました。



【ストーリー】
神奈川県横浜市鶴見区に広がる工業地帯。
意味などない、ただの行き止まりの、詰まったクソみたいな場所。
誰も来ないはずのこの場所でぼんやりと海を眺めていた進は、偶然、この場所に訪れた東上浩介と出会う。浩介はつまらなそうにしている進に話しかけ、水没したヨットの再生計画をもちかける。

「沈んでいるヨットを引き上げ、自分たちの手で再生して、何処か知らない場所に行きたい。」

そんなあまりに突拍子もない話をする浩介に惹かれ、進もヨットの修理を手伝うことになる。さらに複雑な家庭環境にコンプレックスを持つ榎木田美潮と明るくて穏やかな飲み屋の娘の椎木莉佳子がメンバーに加わり、4人はヨットを修理していく。
様々なトラブルやすれ違いが起こりつつも、4人はそれを乗り越え、絆を深めていく。そして、進は自分と同じようなコンプレックスを持つ美潮にだんだんと惹かれ始めていき…

はたして4人は無事ヨットを完成させ、旅立つことができるのだろうか――?



【構成】
選択肢なしの完全一本道。
攻略ヒロインも一人。



【シナリオ】
分類としては今じゃあんまり見なくなった『シナリオゲーの恋愛物』
『萌えゲーの恋愛物』ならいくらでもあるんだけど。

主人公は自己評価が低く、素直じゃなくて、ヘタレで、超絶不器用で、非常に面倒くさい。
けど個人的に不快感はなかった。
そういう部分が主人公補正でむやみに肯定されるどころか作中では否定されて描かれるし、マイナス点というより主人公の抱える事情に基づいた個性に昇華してるので好感を持てる未熟さになっている。
ヒロインもまたワガママで、意地っ張りで、超絶不器用で、大変面倒な性格に。
そんな二人が主軸なのでなかなか上手くいかないし、主人公の口下手さとヒロインの『こういう言葉が欲しい!』の噛み合わなさに終始やきもきする。

が、そこがいい。
こういう面倒な関係はツボでかなり萌えた。
やっぱ惚れる惚れたまでが長引いた方が恋愛している感が強い。
あまりに紆余曲折あるんだけど逆に言えば過程が丁寧なので読み終えたときの達成感もある。
エロシーンは二回だけしかないけど意味合いがあり読めるものになってるのも◎
 
一応もともとの当時の定価が3150円というロープライスなので短め。
けど同時に無駄もなく、その割に作中での年月は進むので話しの規模も小さくない。
ツッコミどころが皆無ではないけれど登場人物が抱える問題やコンプレックスを最初に提示して、それを解決していくというのを真っ当に丁寧にやってるので安定して読める。
ラストもスッキリ終わるので消化不良はない。
 
キャラクターも喋り方が二次元なだけでキャラ付なんかはリアリティがある、というよりは等身大な感じ。
そのおかげで登場人物の複雑な家庭事情も突飛さはあまりなく感情移入できる。

ちゃんと物語してます。



【統括】S-
無題2

期待値/実際値:70/85

向き不向きというより最近のエロゲが好きな人にはちょっとどうだろう。

たったそれだけの結論に何年かけてんだ……っていう話だけど、そこに笑えるし萌えた。 
選択肢もなくプレイヤーの介入要素もないのでカップリング萌えする人向け。
まぁなんか久々にしっかり萌えられた気がする。
かなりお気に入りの作品です。

 

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